日本に無くて、先進国には取り分けあるもの「住宅・建築物の燃費表示」 これが非常に重要で、とくにエネルギー価格が高騰する可能性が高く、一度 建築したら30年はもちろん、50年、70年と住み続ける、その将来の光熱費を予測する必要があることをは 説明しました。
家の燃費はすごく重要!
日本でも 家の燃費表示「エネルギーパス」など、幾つかの燃費表示が普及しつつあります。
建物 燃費ナビ (一社)パッシブハウスジャパン様が提供している ドイツ パッシブハウス研究所との提携ソフト
QPEX (特非)新木造住宅技術研究評議会 様が提供しているソフトなど代表的なものも 幾つかあります。
いずれのしろ「建物の燃費を表示する」ことで 新築・改修する前に見えることが大事です。
エネルギーパスの表示の一部
この建築物は 一般的に現在の最高等級と言われている「次世代省エネ基準・・・平成11年基準」のある建物を評価したものです。 用途別エネルギー需要というところで 22555kwh/年間のエネルギーが必要 それも【暖房エネルギー】が全体の50%近くになっています。 この建物で オール電化で生活しても ざっくりですが、10000〜12000kwh/年間程度の 電気使用量が必要だろうなと予測できます。(出力するものによって、家電の使用量によっても違います)
部位別熱損失を見ても、【開口部】が42%で半分近くになっています。いわゆる窓です。
日本の建築物で一番残念な部位 窓
上記の U=1.0と書いてあるのは ドイツの一般的に使用されている 樹脂窓。
どういう単位かというと 中・外で温度差が1度ある場合には 1㎡あたり1時間に1.0Wの エネルギーが必要ということです。 日本の 一般的に使用されている アルミサッシ+ 複層ガラス(空気)の場合には U=4.65 なんと4.5倍以上の熱が逃げるということになります。
いわゆる 窓の面積が40㎡あって、中が20度 外が0度という冬の場合には・・・
ドイツ:40㎡ × 20度 × 1.0 = 800w/㎡K
日本:40㎡ × 20度 × 4.65 = 3720w/㎡K
なんと アルミ複層ガラスの場合には 常時エアコン1台〜2台分のエネルギーが 窓だけから逃げているということです。 他にも この倍以上の熱が 床・壁・天井・換気ロスとして逃げますので エアコン3台〜4台回しても寒い!! ということになるのが 「現在最高等級 次世代省エネ基準」ということになります。
世界の窓の素材別分布
一般的に アルミ・金属は熱が伝わりやすい素材ですので、非常にエネルギーロスが大きいものになります。また逆に非常に効率がいいのが、樹脂(プラスティック)窓、木製窓ということになります。 日本以外は ほとんどが、木製もしくは樹脂窓ということが容易に理解できます。
先進国の世帯当たりエネルギー使用量
しかし 実際に使われているエネルギーを世帯あたりで見ると 非常に少ないのが日本という ことになります。これはどうしてでしょうか?
日本の住宅は寒い?
日本の場合に、どうしても 住宅・建物全体を暖めると とても支払いが困難になるくらいに エネルギー支出が高くなるので 「もったいないから消す」という文化が普通です。 省エネではなく =消エネ が一般論なのです。 しかし 家中全体を温めて 生活する 「小エネ」・・・(YKK様)にしないといけないのではないでしょうか?
各国のエネルギー消費 赤暖房!!
世帯当たりエネルギー消費量の各国を比較しても アメリカ〜韓国まで 暖房エネルギーはほぼ 同じ使用量です。これは 韓国でもオンドルという文化が普及していて 建物全体を暖める文化です。 それに比べて、日本と中国はどのような生活か・・・容易に想像できますね。
でも、そのお隣 中国も樹脂窓が普通になってきているというデータもあり、日本人 我慢強い民族かもしれませんが、建物の快適性については もっと追求していくべきではないかと思うのです。
建築の省エネ分野に取り組む理由〜その6
posted on: author: h-souda category: エネルギーパス / ブログ・想い / 持続可能な街づくり / 省エネ建築