建築の省エネ分野に取り組む理由〜その7

posted on: author: h-souda category: ブログ・想い / 省エネ建築

これまで省エネにすることの意義・意味をエネルギーという観点でブログにしてきました。

しかし 省エネにする理由の大きなポイントとして 「健康に暮らすことができる」ということも重要です。省エネでエネルギーを節約する、もったいないということが日本の文化のような 感じも受けますが、やはり健康を犠牲にしてまでの 「エネルギー・光熱費節約」は大きな問題だと思います。

 

スライド093 冬に33度程度の布団から8度危険

体を冷やすということは 非常に良くないということは なんとなく皆さんも理解しているはずです。

スライド085 身体の冷えは病気の元?


昔から身体を冷やすな!ということは母親や祖母から言われていたのは、みなさん記憶にあるのではないでしょうか? 「風邪を引いたら、暖かくして寝なさい。」 「たまご酒を飲んで」  「しょうが湯」なんて言うのは最近の子供さんは言われなくなったのでしょうか?  いずれにしても体の芯から温める 先人の知恵だったのでしょう。

やはり体温が下がると 身体に異常をきたすというのは 住宅にもどうやら関係があるようです。近畿大学建築学部長 岩前教授のデータを引用させてもらっています。

スライド087 寒い月の方が命の危険が・・・

スライド088 病気になる確率も冬に・・・

なんでも 昔は夏が死者が多くでたそうです。それは冷蔵技術が無い 江戸や昔の話。 いまでは食あたり・腐れというもので命の危険に及ぶということも 文明の発達とともに大幅に減少 しました。 しかし、冬に起きやすい病気が まだ現代社会でも減っていないのです。

岩前教授のデータを見せてもらっても、循環器・呼吸器という部分が死因になるデータが顕著に伸びています。

これは 俗に言う「ヒートショック」という 室内における 脳卒中・心筋梗塞などによる発作が原因で亡くなっている方が多くなっているということだそうです。

スライド089 家庭における不慮の事故の年代別


実は 総務省が発表している家庭内における 不慮の事故死亡率でも圧倒的に 65歳以上の方が多数ということになっています。 先のヒートショックというのも 実は65歳以上の高齢の方が多くなります。 これは加齢による血管の収縮機能が低下したり、血管のつまりももちろん大きな要因でしょうが、そこに加えて 室内で かつ冬に暖かいところから急激に 寒いところに移動する際に起きる発作。 ここには室内の温度環境が大きく関わっているのではないかということを 先生・医師にかたも警鐘を出されています。

スライド093 やはり性能の悪い住宅は怖い・・・

日本では当たり前とされる、朝起きたときに リビングも廊下も冷え切っていて、朝一番で起きた「おかあさん」が暖房をつけるという日常光景・・・これは海外の先進国では信じられない 光景だそうです。 ある海外の方に伺った話です。「朝 寒い家に暮らすことになるということは ある意味奥さんから離婚勧告されるよ!」とか 「朝起きた時に 18度以下だったら それは法律違反、80万円の罰金と改善命令が出るよ」 このような話を聞くと、日本の日常は決して 当たり前ではないなと感じました。

スライド075 アメリカ〜韓国は先進国?

上記グラフを見ても、先進国である上位5カ国は 暖房に同様にエネルギー消費をしていました。一方、日本と中国は非常に暖房エネルギーが顕著に少ないデータです。 ここを見てみなさんどう思いますか? 日本のみなさんは 冬に室内は寒いに関わらず、実は我慢して生活をしていると思えませんか?

なぜ こうなるのでしょうか? みなさんもし 一戸建ての住宅に住んでいて、玄関から廊下、お風呂、トイレ、寝室も全て 22度にしたらどのくらいの光熱費が掛かるでしょうか? 想像してみてください。 もしも すでにそのような生活をしている方 「冬の12月、1月の光熱費を教えてください!」

私たちの経験上 暖房・給湯・家電設備などで 冬場35坪程度の住宅に関東お住まいの方でも 上記のような全ての居室、廊下、水まわりまで 22度で暖めたら、4万、いや5万、それ以上の光熱費冬場には一ヶ月でがかかるかもしれません。それでは さすがに「おかあさん」もびっくりです! だから 「もったいないから 消しなさい!」ということで使わない部屋は 暖房をしないということになります。

まさか、これが結露の原因・・・に

そして この結露を長い間繰り返すと、カビ、ダニの増殖 そして構造体がだんだん弱っていくということを知らず、知らずに病気が進行しているということに気づいていないのです。

最近のアレルギー、アトピー、小児喘息が増加していること、これも決して住宅は関係無いとは言い切れないのです

 

 


この記事がお役に立ちましたら、以下のバナーをクリックして投票をお願いします。
にほんブログ村 住まいブログ エコ住宅へ