クラブ・ヴォーバンの視察では 「持続可能社会」を目指すために、いろんな取り組みを包括的に1週間の視察で学びます。それは 分野も広く、またたくさんの情報を詰め込まれます。
大工職人の棟梁(マイスター)
やはり、持続可能な社会を構築する上で重要なこと、それは 省エネ建築を構築すること。
大きくエネルギーのロスを見ていくと4つの分野に分かれます。
- 発電時に出るロス
- 運輸から出るロス
- 産業から出るロス
- 住宅ビルなどから出るロス
「省エネ建築」は「個人で可能な最も大きなエネルギー効率事業」になります。
「緑のきつつき」という社名
こちらの会社さん 「緑のきつつき」という大工集団は 17名の大工職人さんからなる会社になります。
週に4日勤務で月間17日の勤務ですが、しっかり効率を上げて 全員に満遍なく仕事が行き渡り生活が安定できるように経営をされているようです。 「常に効率を考えて会社を経営してきたよ。」という社長さん。 プレカットという機械化に頼らずに いまでも自分たちが工具で加工・建築をしていくということにまずは 驚きました。
連れて行ってもらったのは 「新築」と「改築」それぞれ1棟ずつ・
壁の負荷断熱が厚い!!
窓から外に出ている部分はすべて断熱材です。 ざっくり壁厚は 内部・外部で30センチは ありました。
左官職人の腕も非常に優秀!
壁の仕上げの職人さんの腕も 相当いい腕でした! 日本でも 十分上手!という仕上げ具合でした。
床には温水を通す仕組み
ドイツでは セントラルヒーティングというか、全館全室暖房が基本。ここの新築住宅では 床に温水を回す仕組みでした。「エーシュトリッヒ」と言われる 蓄熱ができるタイプの湿式コンクリート仕上げの床に このようなヒーターを敷設します。 熱源はソーラーコレクターだったり、地中熱利用タイプだったり。。。
暖房に関しては 熱源は再生可能エネルギーで行うか、地域暖房という集中管理熱システムで 非常に効率良く熱を生み出します。
景観が変わるような改修はできないが・・・
改修工事は 屋根裏を立派な 部屋にするという工事でした。 屋根裏と言っても しっかり バスルームを作り、部屋も2部屋くらい新しくする立派な増築です。
ドイツの内装屋さん
こんな3階からの屋根裏部屋なら 本当に十分暮らせるしいいな〜と思いながら見学しました。
この民家の周りだけでも 数件同時に屋根裏の断熱改修+増築工事をやっていました。「緑のきつつき」さんは同時にこの集落で2件 改修工事をやっています。
新築は 年間に3件〜4件だけど、改修は多いよ!という社長。 日本も本当はそうあるべきだと思います。
屋根の上に ソーラーコレクター(太陽熱利用温水器)や、太陽光発電などを搭載しながら、 屋根裏もしっかり断熱して、部屋も造っていく。 本当に素晴らしい取り組みです。
緑も多く 綺麗な街並みです
まだまだ 日本の住まい 住生活は スクラップ&ビルドの新興国のような考え方から抜け出せません。
どうしても 新しい「もの」が 素晴らしいという価値観に「古いものが安心で良いものだ!」という価値観が追いつかないのが現状でしょうね。 でも、ファイナンス・資金もしっかりしていて 新しいもの生み出して行く方というかそん方もいてくれないと困るのですが、今あるものを大事にしていく、もしくは これから作るものは長く価値あるものを創り出していく、生み出していく。そんなこれまでの文化・資産を大事にしていく方も 両方大事だと思うんです。
そんな価値観が そろそろ日本にも芽生えていってほしいと思います。
そのためにも、絶対 「職人さん」「工務店ら建設に関わる人々」の意識改善が必要です。
もうそろそろ 「飯を食うためにはしょうがない・・・」という後ろ向きが考えは捨てていきましょう!
僕らがやっている仕事は 「未来をかたちにする大事な価値ある仕事です!」 そうお伝えしたいのです。