前回その2では、エネルギー価格の上昇が起因による、持続可能性を考えた場合には、将来の リスクヘッジのためでもありますが、そもそも40年、50年先を見据えた建築にしないといけないですよ・・・ということを警鐘しました。
震災後あいつぐ電気料金値上げ
ただでさえ、エネルギー価格は上昇傾向だったにも関わらず、東日本大震災・福島原発事故と いう想定もしていなかった、大事故が日本では起きました。 その後東京電力さんはもちろん、 全国の電力会社も相次ぐ値上げ、北海道電力さんは経営危機とまでニュースが流れました。
結果として 国民は値上げに反対することも出来ず、「言われたまま」にしか電力料金を支払うしかないのが現状の日本です。
東京電力さんはもちろんです
福島の事故だから東京電力だけの問題ではありません。電力会社全体での問題です。実は原子力発電に25%依存をしていた我が日本は、この原子力発電が止まる事により 更にガス・原油・石炭による発電を余儀なくされて、貿易の上でも赤字となるような状態になっています。
27兆円円安・原油価格にもより更に・・・
この27兆円のエネルギーの輸入 54万円/世帯の負担は形を変えていますが、我々の家計に占める割合は大きくなるばかりです。 この問題を安易に原発再稼働・反対。再生可能エネルギーを増やそう!発電のことばかり 皆さんはお考えですが、本当にそうでしょうか?
実は この問題を我々よりも20年以上前から国で議論され、そして 国として取り組んでいる先輩が私がいつも学びに行っているドイツなのです。 ドイツでは 1990年比温室効果ガスを 2050年には95%削減しようと 国をあげて取り組んでいます。
温室効果ガスを95%削減ってどうやるの?
これはどういうことか・・・簡単に言うなれば枯渇型・化石燃料を燃やすと大量に温室効果ガスを出すと言われていますので、要するに 「化石燃料を燃やさずに」国の経済を営むことです。それも 95%カットです。
ここまで2回に渡り書いてきたので、何となくご理解されるかたも多いのではないかと思います。要約すると 以下のようになります
- 化石燃料の枯渇・人口増大でエネルギー価格の上昇リスクがある
- 発電をするときに莫大に化石燃料を燃やすということが事実
- 上記2点を考えると、利便性向上で電力使用量が増大し、エネルギー価格上昇で電力価格も上がる。結果として、温室効果ガスも増大する。
「省エネルギー」+「再生可能エネルギーの導入」を推進したのです。 ここで、「建築物における 省エネルギー化」が必須ということになり、この20年で飛躍的に「省エネルギー」が 向上します。
ここには 「躯体の断熱性向上」「熱の高効率化・再生可能エネルギー化」が住宅では必須であり、再生可能エネルギーで発電をするとか、蓄電池で電気を貯めるということとは 少し切り離して考えないと正しい答えは導き出す事は出来ないのです。